グリーンLPガスとは

グリーンLPガスとは

一般社団法人 日本グリーンLPガス推進協議会

●ビジョン

LPG輸入元売りの大手5社(アストモスエネルギー、ENEOSグローブ、ジクシス、ジャパンガスエナジー、 岩谷産業)は、一般社団法人「日本グリーンLPガス推進協議会」を今般新たに設立し、LPG(プロパン・ ブタン)のグリーン化事業を共同して進めることとなりました。
具体的には、水素と二酸化炭素(CO2)を合成させ、メタノール等への改質プロセスを経たうえで、100% 近い収率でLPGを製造する新たな技術(プロパネーション・ブタネーション)を北九州市立大学との連携に よって確立します。FT(フィッシャー・トロプシュ)を始めとする従来の燃料合成技術では、CO2を一酸化炭素に 置換する必要があり、非効率な面がありましたが、新技術ではCO2を直接水素と効率的に反応させ、高い得率でのLPG製造が可能となります。当協議会はこの分野で世界的な権威である北九州市立大学客員研究 員の藤元薫氏(東京大学名誉教授、一般社団法人HiBD研究所代表、北九州市立大学名誉教授)から 全面的な研究協力を得ることによって、早期の実証化を目指します。

主な活動事業
カーボンニュートラルなLPガスの製造技術開発を進め、社会実装に繋げて行くことを目的とした次の事業。
(1) バイオ DME(ジメチルエーテル)を用いたLPガスのグリーン化事業
(2) 水素と一酸化炭素・二酸化炭素を用いたLPガスのグリーン化事業
(3) その他、LPガスのグリーン化に向けた製造技術開発、ならびに社会実装の目的を達成するために必要な事業

【正会員】 アストモスエネルギー株式会社 ENEOSグローブ株式会社 ジクシス株式会社 株式会社ジャパンガスエナジー 岩谷産業株式会社
【準会員】 日本LPガス協会


また、当協議会では、LPGと類似した特性を有するDME(ジメチルエーテル)からLPGを製造する技術の 確立に向け、上記研究と並行して、大手触媒メーカー等との共同研究開発を進めます。
当協議会では、ふたつの実証試験結果を3年後を目途に検証のうえ、双方の研究を通じて得られた技術を 用いて下水処理汚泥施設から発生するバイオ原料等から得られた水素とCO2を利活用することによって、2030年前半には年間3万トン規模のカーボンフリーなLPG(グリーンLPG)の社会実装の実現を目指します。
LPGは一般家庭や業務用を始め、化学原料や自動車燃料、都市ガスの熱量調整原料など、幅広い用途で使われており、昨年度の国内需要は約1,300万トンに上る。LPGは可搬性に優れ、劣化しない特性を有しており、災害対応力の強化に向けた備蓄用燃料としての他、LNGと同様、硫黄含有量が殆どないといった環境特性によって、舶用燃料としての新たな需要も期待されており、燃焼機器の省エネ化や人口減が進むなかにあっても、政府の試算でも2050年時点で相当量の需要量が残ると見込まれています。LPGの グリーン化を巡っては、バイオ原料の利用だけでは資源に限界があるため、将来的にはグリーン水素等を利活用し、LPG需要全量のグリーン化を進めて行く考えです。


●計画

<現状と課題>
・LP ガスは全世帯の約4割の家庭に供給される、国⺠生活を支える必要不可欠なエネルギーである。
・また、工業用・化学原料用等、多岐にわたる分野を支えており、2050年時点においても 約6割の需要が維持される見込みである。
・カーボンニュートラルに向けて、化石燃料である LP ガスを海外から調達する業界構造から、バイオマス等から (化石燃料由来ではない)グリーン LP ガスを合成する技術を確立することにより、グリーン LP ガス製造 業の創出を図ることで、カーボンニュートラルに貢献する業態へ転換する必要がある。
・現状では、水素と一酸化炭素等による人工合成やバイオマス等によるグリーンな LPガス合成技術が想定されるが、将来的に、LPガスを直接合成するためには、耐久性の高い触媒等の開発・実証が不可欠。
<今後の取組>
・LPガスのグリーン化を図るため、化学合成やバイオマスによるLP ガス合成技術を確立し、2030 年の社会実装に向けた実証等に取り組む。
・こうしたグリーン LP ガスの合成に係る技術開発・実証を今後 10 年で集中的に行うことで、2030年までに合成技術を確立し、商用化を実現。2050年には需要の全量を グリーンLP ガスに代替することを目指す。